2017.01.19
踵骨骨端症 施術例
8歳~12歳くらいの子供に見られる疾患で、別名セーバー病(シーバー病)とも言います。
成長期の子供の骨には、骨端軟骨と言われる、完全に骨化していない柔らかい部分があります。そこへ、スポーツなどを行い、ジャンプを繰り返したり、硬い路面を走るなど衝撃が加わる事で軟骨部に損傷をきたし、歩行時の痛みや、押された痛みを訴えます。
初期の状態であれば安静でその痛みは改善されますが、痛みが出た原因を突き止めなければ、その痛みは繰り返し最終的には骨折を起こし成長障害を生む恐れもあります。
バスケットボールをしていてだんだん痛みが出てきた 11歳男の子の場合
地元のミニバスに所属している子で、練習中にかかとの痛みを感じるようになり、来院されました。
スポーツ歴、年齢、主訴からして踵骨骨端症であることはほぼ間違いありませんでしたが、患部の状況を確認するために提携している整形外科でレントゲンを撮ってもらいました。
診断としては踵骨骨端症でしたが、幸いにも患部はまだ新鮮でしっかりと治る力を持っている状況だったので早急に治療に当たりました。
このようなスポーツ障害と呼ばれる疾患に対して、患部だけの治療をしていてはなかなか改善はみられません。
障害が起こってしまった原因として考えられる関節の硬さ、体幹の筋肉量、足の傾きやバランスなど身体全体を検査する必要があります。
この男の子の場合、いわゆる扁平足と呼ばれるような形で土踏まずのアーチが落ちている状態でした。それに呼応するようにふくらはぎの筋肉も硬く、体幹も上手く機能していない状態でした。
つまり、全体的な治療計画はこうなります。
1、患部にハイボルテージと超音波のコンビネーション電流を流し、疼痛抑制と骨組織の回復を促す。
2、足、ふくらはぎに対してコンプレッションリリースで拘縮を取り除く。
3、PNF施術でインナーユニット(体幹)を鍛える。
4、バランスボードで足のレセプター(受容器)を刺激し、バランス感覚を鍛える。
5、患部の負担を最小限にするためインソールを作る。
これらの行程で週に2回、3ヶ月ご通院いただきました。
ご父兄、コーチとよく話し合い、個人プログラムでトレーニング。患部以外にも良い効果が!
練習に関してはご父兄、コーチとよく話し合い、1ヶ月ほど全体のメニューから外れてもらうことになりました。しかし、その場でのドリブルやハンドリング、体幹トレーニング、ストレッチなど個人プログラムを用意して体力は落とさないように、患部外のトレーニングに努めてもらいました。
最初のうちは慣れない動作にストレスを感じる場面もありましたが、自分でも徐々に上達している部分が感じられるようになり、楽しくリハビリを行っていました。
象徴的なのは、利き手じゃない方のドリブルが上手くなったと言ってくれたことです!特にバスケッボールでは両手でドリブルをできた方が断然有利ですからね!
一月を過ぎた頃から徐々に全体練習にも復帰し、パス、シュート、1対1、ゲーム形式と練習の強度を上げていきました。
また、練習で使うバッシュはもちろん、普段の生活で使う靴に当院で作成したインソールを使用するようにしています。いわゆる扁平足で足のバランスが悪かったため、足からの正確な情報が身体に伝わりにくくなっていた部分が改善され、結果、体幹や足、腕周りにも力がしっかりと伝導するようになります!
練習に復帰するまで1ヶ月、試合復帰まで3ヶ月かかりましたが、患部だけでなく身体全体のバランスをみて治療をすることで患部の改善はもちろん、患部以外にも良い効果が現れます。そうすることこそがスポーツ障害を予防する最善の方法ではないでしょうか。
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